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2012年12月10日 (月)

管理業務主任者試験の平成24年本試験問題・問29について

本試験の翌日以降、管理業務主任者試験の本試験問題の解説をポッドキャストとYouTubeにて行っていましたが、問29の予想正解番号を「3」としていた事から質問をいただいていますので、梶原塾の考え方についてブログ記事にして回答します。
この点、「解答速報」および「平成24年度出題項目比較表(A表・B表)・PDFファイル」において、問29の予想正解番号に誤植(転記ミス)があったことをお詫びします。

尚、本試験問題の正解番号を決するのは試験実施機関ですから、合格発表まで待つしかないです。
この記事に関する質問には回答しませんが、コメント欄へのコメントは歓迎します。

以下、平成24年・問29の肢(2)・(3)について検討します。(下記問題文全文を参照のこと)

●肢(2)について
【問題文】
(2)2つの議決権を有する区分所有者が、同一議案について議決権の1つは反対する旨の、もう1つの議決権については賛成する旨の議決権行使書を提出したので、それらの議決権行使を認めた。

【解説】
「議決権の不統一行使」からの出題です。
議決権の不統一行使については、これを認めないという見解が多数説であると考えられます。
したがって、「同一議案について、議決権の1つは反対し、もう1つの議決権については賛成する旨の議決権行使を認めた」本肢は、「不適切なもの」だと考えることができます


●肢(3)について
【問題文】
(3)専有部分の共有者の1人から転居先を総会招集通知場所とする届出がなされていたが、議決権行使者の届出はなかったので、出席した在住共有者の議決権行使を認めた。

【解説】
マンション標準管理規約の「住戸が共有の場合の議決権の行使」からの出題です。
住戸1戸が数人の共有に属する場合で、一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに、理事長に届出なければなりません。
したがって、「議決権行使者の届出がないにもかかわらず、出席した共有者の議決権行使を認めた」本肢は、「不適切なもの」だと考えることができます


【参考条文】マンション標準管理規約(単棟型)
(議決権)第46条
(2)住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。
(3)前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない。


●正解番号の判断について
以上の検討から、肢(2)・肢(3)の2つの肢のいずれについても「不適切なもの」だと考えることができます

試験問題冊子の表紙の注意書きによると、「答は、各問題とも1つだけです。」とありますので、肢(2)・肢(3)のいずれかを「最も不適切なもの」として解答番号を決しなければなりません。

そこで、「肢2」と「肢3 」について更に検討します
本問は、「区分所有法及びマンション標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。」という設問です。

まず、「肢2 」の「議決権の不統一行使」については、区分所有法およびマンション標準管理規約に明文の規定はありません。また、本問の根拠となる判例も見当たりません

一方、「肢3 」の「議決権行使者の指定」については、区分所有法およびマンション標準管理規約に明文の規定があります
また、平成18年の問35の肢1において同様の出題論点があり、過去の管理業務主任者試験においては、「不適切なもの」として出題されています。(正確には、「最も適切なものではない肢」として出題されています。)


【平成18年-問35-1の問題文】
あるマンションの総会の議長が行った次の行為は、マンション標準管理規約によれば、最も適切なものはどれか。
(1)住戸が2名の共有の場合、あらかじめ議決権行使者としての届出のなかった共有者1名に議決権を行使させた。(×不適切)


尚、「議決権行使者の届出がない場合でも、一定の場合には出席した共有者に議決権の行使を認めてもよい」とする見解もありますが、本肢は、共有者の内一人が転居し、わざわざ転居先を総会招集通知場所とする届出がなされていた事例なのですから、転居した共有者と在住共有者との間に「在住共有者を議決権行使者とする協議」が成立していた事例だと考えるのは無理があります。


そこで、梶原塾では「肢3 」を「最も不適切なもの」と考え本問の予想正解肢としています


-追記-
仮に、正解番号が「肢2 」とされた場合は、「平成18年の問35の肢1」について、多くの教材が過去問集等で「不適切である」と解説していますので、その旨の解説を修正・補足する必要が出てきますが、資格試験における過去問には既判力のようなものが存在する筈です。

管理業務主任者試験の実施機関のホームページには、受験対策用に過去問がダウンロードできるように準備され、正解番号の公表も行われています。
法改正等の影響等がないにもかかわらず、出題年度によって判断基準や解釈が異なるのでは、過去問を中心に学習せざるを得ない受験生にとってあまりにも酷だと考えざるを得ません。

また、いずれの肢も「不適切なもの」として出題したものとすると、それらを二つ並べてどちらが「最も不適切なもの」なのか判断させるのも無理があると考えます。
問6と同様に問29についても”複数解”とされる可能性もあると考えています。


【平成24年・問29・問題文全文】
【間29] 総会における議決権行使に関する次の記述のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。

(1)賃借入が、賃貸人である区分所有者からの委任状を理事長に提出したので、議決権行使を認めた。
(2)2つの議決権を有する区分所有者が、同一議案について議決権の1つは反対する旨の、もう1つの議決権については賛成する旨の議決権行使書を提出したので、それらの議決権行使を認めた。
(3)専有部分の共有者の1人から転居先を総会招集通知場所とする届出がなされていたが、議決権行使者の届出はなかったので、出席した在住共有者の議決権行使を認めた。
(4)区分所有者から提出された議決権行使書に署名押印はあるが、賛否の記載がないので、有効な議決権行使とは認めなかった。


※平成25年1月18日 合格発表時に、問6の正解肢は3、問29の正解肢は2と発表されました。
※平成25年2月15日 追加合格者の発表が行われ、問6の正解肢は3および1、問29の正解肢は2および3と発表されました。


'12.12.11・'13.01.04加筆しました。

梶原塾 田中優彦

梶原塾 専任講師 田中優彦のブログ -宅建試験・管理業務主任者試験対策ブログ-

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