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2012年11月22日 (木)

宅建試験対策の過去問演習の方法と過去問集の選択について・・・一問一答形式と四肢択一形式の過去問演習 その2/2

過去問演習の方法と過去問集の選択についてをお題にした2回連載記事の2回目です。

「平成24年度の宅建試験は、過去問演習を中心とした学習では対応できなかった。」旨のコメントを拝見しますが、どのような過去問集を使用したかで、本試験の得点結果に差が出ているようです。
そこで、過去問集の選択について考えてみます。 ※注 今回の記事はかなり長文です。


【過去問集の選択について】

●問題収録形式

前回の記事で指摘したように、一問一答形式の過去問集を選択することをお勧めします。
一肢一肢確実に○×の判断をする訓練を行うことで知識を正確に定着させる事ができますし、個数問題や組合せ問題などの難易度の高い問題にも対応できるようになるからです。

また、一問一答形式の過去問集については、「問題文の本文部分の記載を短くまとめて1~2行に作り直した問題集」はお勧めできません。
本試験で出題される四肢択一形式の問題は、本文部分の記載から事例設定などを読み取って、各肢の設問に解答しなければならない出題が多いですから、出題論点(何を問うてる設問なのか)を速く確実に読み取る能力が大事になってきます。
事実上答えが書いてある問題文を読んで(≠解いて)知識を確認しているようなもので、問題文から必要な情報を読み取って問題を解く(問われている出題論点に解答する)訓練にはならないからです。
問題文の本文部分を省略せずに、一問一答形式に編集した過去問集をお勧めします。


●収録問題の構成
過去問集については、一般的にどのような過去問が収録されているかによって1~3のように分類する事ができます。

(1)単に10年分(ex.平成14年から平成23年)の過去問を全て収録した過去問集
(2)10年分の過去問は基本的に収録し、11年以上前の過去問からも重要問題を収録した過去問集
(3)10年分の過去問から重要問題だけを収録し、11年以上前の過去問からも重要問題を収録した過去問集

10年分の過去問だけでは宅建試験の出題範囲全体をカバーして問題演習する事はできません。
平成24年の宅建試験でも、11年以上前の本試験問題からの焼き直し問題が多く出題されました。
各資格試験予備校の本試験の講評の中で、「法令上の制限」・「税その他」についての難易度の評価が異なっていますが、これは使用した過去問集によるところが大きく影響しているものと考えています。
たとえば、問23・問24・問25については正解肢が11年以上前の過去問に登場していますから、何度も過去問として演習を繰り返していた受験生にとって大きなアドバンテージになったと考えています。

もちろん、11年以上前の本試験問題(過去の過去問)については、予想問題集や各資格試験予備校の答練・模擬試験のネタ元にもなっている知識ですから、受験生にとって初見の問題ではなかった場合もあるかもしれませんが、過去問集に始めから収録することで何度も問題演習して知識として定着させる事ができますので、11年以上前の本試験問題(過去の過去問)からもピックアップして収録している上記(2)・(3)の過去問集をお勧めします。


また、一般的に過去問集にはABCランクの記載がありますが、宅建試験は「ABランクのみんなが得点してくる正解率の高くなる問題」を確実に正解することで合格できますから、「合否に影響するとは思えないCランクの問題は演習しなくても良い」とする指導を行っている場合が少なくないです。

Cランクとする理由は様々ですが、梶原塾では次のような判断基準で分類してカットしています。
・再度類似問題が出題されたとしても正解率は高くならない
・その知識を理解または覚えるには相当な労力が必要となる
・その知識を理解しようとすることで他の重要な知識の理解の妨げになる

学習が進んでくると受験生には欲が出てくることが多いですから、直前期になってCランクの問題を演習して「訳わかんなくなる受験生」が出て来ることが多いです。
そうであるならば、Cランクの問題を収録して中途半端な指導を行うより、Cランクの問題は潔くカットして収録しないことがベストだと考えています。

知識量は落さずに合格に必要な過去問を選別し、「合否に影響しない難問」や「何度も同じ出題論点を同じ問われ方で出題される重複問題」をカットすることにより収録問題数を削減することで、繰り返し問題演習を行う機会を増やすことができる上記(3)の過去問集をお勧めします。

ちなみに、問48(統計)・問49(土地)・問50(建物)を除いた過去10年分の過去問集の収録問題数は約1880肢になりますが、上記(3)に該当する梶原塾の「過去問解説集Standard」の収録問題数は1916肢です。(改題等をした問題の一部を除く)
そして、1916肢のうち過去10年分の過去問からの収録数は1254肢(約65%)のみで、残りの662肢(約35%)の問題については、11年以上前の本試験問題(過去の過去問)から重要問題を肢単位でピックアップして収録しています。


●解説の内容
「過去問集なんて過去問なのだからどこのでも大差はない」旨のコメントを拝見しますが、過去問集を選択する際のポイントは、「解説」欄の記載内容が充実しているかどうかが重要です。
先ず、権利関係法令の事例問題など必要な図解がされているかどうかがポイントになります。
事例を図解できる能力があれば、あとは知識の当てはめ作業により充分に解答できる問題が多いですから、図解をできるようになるか否かが合否を別けるといっても過言ではないからです。
解説欄に模範となる図解があれば、後はそれを書き写すことから始めれば図解できるようになっていきます。

また、テキストへのリンクページの記載があるかどうかもポイントとなります。
問題演習をした際には正解したか誤答したかだけでなく、解説を読みながら出題論点を確認した上でテキストを参照し、「テキストの上下左右の確認作業」や「関連・参照項目の確認作業」を丁寧に行いながら問題演習を行わなければなりませんので、テキストへのリンクがない過去問集を選択してしまうと、特に初学者の場合は膨大な時間を無駄に費やしてしまうことになるからです。

さらに、収録している過去問題の出題論点の記載がテキストにあるかどうかもポイントとなります。
テキストと過去問集はセットで選択するのがベストですが、過去問集で登場する知識がテキストに記載されていないものを選択すると、「ポイントを短くまとめてテキストへ追加書き込みする作業」が必要になりますので、法律の学習の初学者にとっては困難な作業を強いられることになるからです。


●補足
市販本については、ページ数などいろいろな制約があって100%思うところの教材が作製できない場合も少なくないようですが、兎に角10年分の過去問は全て収録しているが、解説欄の解説を読んでも理解などできないし、同じシリーズのテキストを併用しても解説がないという無責任な過去問集が溢れています。
特に独学の場合は、しっかり学習しても得点が伸びない原因となったり、脱落してしまう原因になっているように思います。

また、市販本と講義用のテキストは別途作成するのが一般的ですが、最近は、市販本を講義で使用することでコストと労力を省いた廉価な講座も多くなっています。
企業研修で経験したことがありますが、読み物として作成されている市販テキストを講義で使用するのは無理があります。
「後で読んでおいて下さい」か、「事前に読んできて下さい」の連発になって、解説はポイントのみで受講生の負担が増える講座になってしまいます。

さらに、「過去問集は10年分載っていれば何でも構わない」と公言する講師もいるようですが、これは論外です。
担当講座用に、要点まとめ用の簡易な図表やレジュメ程度は作成した経験があるのでしょうが、全編にわたってテキストや過去問集の解説を作成したこともなく、過去問の分析などしていないとしか思えないです。

もちろん、まじめに取り組んでいる場合もあるようですが、本試験の講評の中で、過去に出題歴がある問題について初出題だと平気で解説している宅建講師も毎年いますので、残念ながら、過去問を時間を掛けてしっかり分析しているとは言えない講師が多いのが実情だと言えます。

梶原塾 田中優彦

梶原塾 専任講師 田中優彦のブログ -宅建試験・管理業務主任者試験対策ブログ-

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2012年11月17日 (土)

宅建試験対策の過去問演習の方法と過去問集の選択について・・・一問一答形式と四肢択一形式の過去問演習 その1/2

平成24年度の宅建試験で結果の出なかった受験生については、平成25年度の宅建試験に向けた対策を講じなければなりませんが、過去問演習の方法と過去問集の選択についてをお題にして2回連載の記事にします。

【過去問演習の方法について】

宅建試験の本試験では基本的に四肢択一形式で出題されますが、四肢択一形式での過去問演習を行っても実力はつかないです。
たとえば、四肢択一形式の過去問演習で誤っているものはどれか?という設問の場合に、「肢1と肢2については正しい肢なので、残りの肢3と肢4を比較して、誤っているものは肢4だろう」というような過去問演習を行って正解できたとしても実力はつかないです。

同様に、四肢択一形式の過去問演習で誤っているものはどれか?という設問の場合に、「肢1と肢2と肢3は正しい肢なので、誤っているものは肢4だ」というふうに消去法で解答番号を決するような過去問演習を行っても実力はつかないです。
もちろん、本試験では消去法によって解答番号を決しなければならない場面もでてきますが、消去法によって解答番号を決っする訓練を行うのは、直前期になっての模擬試験だけで充分です。

直前期になると、過去問は完璧だと豪語する受験生がいますが、これは四肢択一形式の過去問演習を繰り返すことで正解番号を覚えてしまっている場合が多いです。
本試験では全く同じ4肢の組み合わせで出題されることはありませんので、このような過去問演習を行って正解できたとしても意味がないです。

では、どのような過去問演習を行えば実力をつけることがきるのでしょうか。
一問一答形式の過去問演習がお勧めです。
一問一答形式の過去問演習で、一肢一肢確実に○×の判断をする訓練を行うことで知識を正確に定着させる事ができます。
また、平成24年度の宅建試験では、個数問題が5問、組合せ問題が3問出題されましたが、普段から一問一答形式の過去問演習を行うことで、これらの難易度の高い問題にも対応できるようになります。

ところで、各資格試験予備校等が公表している本試験データを参照すると、宅建業法の個数・組合せ問題の正答率が悪く、宅建業法の平均点が前年比で2点前後下がっていますが、四肢択一形式の13問と個数・組合せ問題の7問の正解率の差が20%前後ですから、この7問だけで平均点を約1.4点下げていると考える事ができます。

じつは、平成23年度の宅建試験でも個数問題が2問、組合せ問題が1問出題されていましたが、このときは四肢択一形式の17問よりも個数・組合せ問題の3問の正解率の方が3%程度高く平均点を約0.1点上げていたと考えられますから、本年度の宅建試験では個数・組合せ問題の影響が大きかったと言えるでしょう。
今後もこの傾向が続くと考えて対策を講じなければなりませんので、一問一答形式の過去問演習で、これまで以上に一肢一肢確実に正誤の判断ができるように準備することが大事になってくると考えています。

尚、合格基準点(合格ライン)の発表は12月5日ですから、各指導機関が公表している本試験データと実際の本試験のデータに相関性があるのか定かではありませんが、梶原塾の塾生のデータや独自に入手した他校のデータでは、宅建業法の平均点が昨年比で大きく下がるような現象もなく、宅建業法以外の科目の得点結果が良かったことから全科目の得点結果も昨年と同等もしくは1点前後プラスというデータもあります。

これは、個数・組合せ問題であっても一肢単位でみれば平易な問題であったり、過去問の焼き直しであったことから、一問一答形式の過去問演習を繰り返し実践したことにより上手く対応できたのではないかと考えています。


2012.11.19 加筆しました。

梶原塾 田中優彦

梶原塾 専任講師 田中優彦のブログ -宅建試験・管理業務主任者試験対策ブログ-

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