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2011年10月19日 (水)

2011年(平成23年度)宅建試験【解答速報】問42について その2(追記)

平成23年度の宅建試験問42(ウ)について、一部で話題になっている「通達」や「実務での取扱い」を根拠とする解説について考えてみます。

「建設省経動発第二一号・平成六年一月二四日通達」において、「免許権者と所在地を管轄する都道府県知事が異なる場合、後者が自己あての届出と前者あての届出を一括して受理することとなる」旨通達されている事を根拠に、問42(ウ)を「正しいもの」としてカウントすべきだとの見解があるようですが、この通達の元となった宅地建物取引業法施行規則・第19条第4項の規定は、その後法改正によって削除されています。(下記参照)
したがって、問42(ウ)が「正しい」肢となる根拠にはなり得ないと考えています。

もちろん、現在でも実務では、「免許権者が都道府県知事の場合でも、案内所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して届出」されていますが、これはあくまでも"運用"としての取扱いであって、法令に基づく取扱いではありませんので、問42(ウ)の記載を「正しいもの」とする試験問題の根拠にはなり得ないと考えます。

また、実務上、上記のような取り扱いがなされていたとしても、経由申請する場合に届出書の提出・受付先(本肢の乙県知事)が届出書の宛先(名宛人)になるとの解釈は、試験問題の解釈としては不適切です。
もしそうであるならば、大臣免許の業者が主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して大臣に対して「変更の届出」をする場合、「主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対して届け出なければならない」という記載が「正しい」と言うことになってしまいます。

本肢のような設問に対しては、「何処に届出書を提出するのか」を聞いているのではなくて、「誰に対して届出しなければならないのか」を聞いているものとして解答しなければならないものだと考えます。

尚、免許権者が大臣の場合の届出については、「第50条第2項の規定により国土交通大臣に提出すべき届出書は、その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない」旨、宅建業法第78条の3に規定されています。

繰り返しになりますが、問42の正解番号については、合格発表の行われる11月30日(水)まで明らかにされる事はありませんので、試験実施機関の発表を待つしかないです。

※財団法人不動産適正取引推進機構より、問42は「1」と発表されました。 '11.11.30 追記


【建設省経動発第二一号・平成六年一月二四日通達】
第9 業務を行う場所の届出について
1 業務を行う場所に係る届出の様式の変更について
規則第一九条第三項の「別記様式第一二号」につき、今回、合理化の見地から見直しを行った。
なお、本様式に添付して提出を求める書類は当該業務を行う場所の案内図程度に限定するよう努められたい。

2 届出方法の簡素化について
この届出の届出先は、業法第五〇条第二項の規定にあるとおり、「免許を受けた建設大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事」であり、複数の行政庁に届け出る場合も多数あった。
今回の改正により、届出をしようとする者の利便の向上に資するよう、改正後の規則第一九条第四項において「免許を受けた建設大臣又は都道府県知事(免許権者)に対するものは、届出に係る場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行うものとする。」旨の規定を定めた。
今後、免許権者と所在地を管轄する都道府県知事が異なる場合、後者が自己あての届出と前者あての届出を一括して受理することとなるので、その旨御了知おかれたい。(以下省略)



【(旧)規則第一九条第四項】 (抜粋)
免許を受けた建設大臣又は都道府県知事(免許権者)に対するものは、届出に係る場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行うものとする。

※現在の施行規則では、第三項までしか規定がありません。
※未確認ですが、平成12年の機関委任事務の廃止により改正削除されたものだと思います。

【宅地建物取引業法・第七十八条の三】
(申請書等の経由)
第七十八条の三  (省略)
2  第五十条第二項の規定により国土交通大臣に提出すべき届出書は、その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。



【H23-42】
宅地建物取引業者 A社 (甲県知事免許)がマンション (100戸)を分譲する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法 (以下この間において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

(ア)  A社が宅地建物取引業者 B社にマンションの販売代理を一括して依頼する場合、 B社が設置する案内所について、 A社は法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。

(イ)  A社は、売買契約の締結をせず、契約の申込みの受付も行わない案内所を設置する場合、法第 50条第1項に規定する標識を掲示する必要はない。

(ウ)  A社がマンションの分譲のために案内所を・乙県に設置する場合には、業務を開始する日の 10日前までに、乙県知事に法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。

(1) 1つ  
(2) 二つ  
(3) 三つ  
(4) なし 

●関連記事参照
» 2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その1 は、こちら

» 2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その3(追記2) は、こちら


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2011年10月17日 (月)

2011年(平成23年度)宅建試験【解答速報】問42について その1

平成23年度の宅建試験の梶原塾の予想正解番号についてのお問い合わせをいただいていますので、平成23年の問42について考えてみます。
現時点で問42の予想正解番号を(4)としているのは梶原塾だけのようです。


【H23-42】
宅地建物取引業者 A社 (甲県知事免許)がマンション (100戸)を分譲する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法 (以下この間において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

(ア)  A社が宅地建物取引業者 B社にマンションの販売代理を一括して依頼する場合、 B社が設置する案内所について、 A社は法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。

(イ)  A社は、売買契約の締結をせず、契約の申込みの受付も行わない案内所を設置する場合、法第 50条第1項に規定する標識を掲示する必要はない。

(ウ)  A社がマンションの分譲のために案内所を・乙県に設置する場合には、業務を開始する日の 10日前までに、乙県知事に法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。

(1) 1つ  
(2) 二つ  
(3) 三つ  
(4) なし 



(ア) 誤り・・・「正しいもの」と判断することはできない
案内所を設置するB社が法第 50条第 2項の届出義務を負う

(イ) 誤り・・・「正しいもの」と判断することはできない
「売買契約の締結をせず、契約の申込みの受付も行わない案内所」であっても標識の掲示義務がある

(ウ) 誤り・・・「正しいもの」と判断することはできない
法第 50条第 2項の届出は、「免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事」及び「案内所の所在地を管轄する都道府県知事」に届け出なければならない


本肢(ウ)では、「A社が免許を受けた甲県知事への届出」についての記載がないことから、「宅地建物取引業法の規定によれば、正しいもの」と判断することはできません。
近年では平成21年・問43および平成16年・問43でも類似の出題がされており、いずれも「正しいものはどれか」という設問で、「免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事」も含んだ記載で正解肢となっています。(下記参照)


■参考
【H21-43-3】
 
…(梶原塾/過去問解説集standard 5-2-16)
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を案内所を設置して行う場合、業務を開始する日の10日前までに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及び案内所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。


解答 ○正しい(正解肢)


【H16-43-4】 …(梶原塾/過去問解説集standard 5-2-19)
宅地建物取引業者A (甲県知事免許) が甲県に建築した一棟100戸建てのマンションを、宅地建物取引業者B (国土交通大臣免許) に販売代理を依頼し、Bが当該マンションの隣地 (甲県内) に案内所を設置して契約を締結する場合、宅地建物取引業法 (以下この問において「法」という。) の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

Bは法第50条第2項で定める届出を、その案内所の所在地を管轄する甲県知事及び甲県知事を経由して国土交通大臣に、業務を開始する10日前までにしなければならない。


解答 ○正しい(正解肢)


【宅建業法第50条第2項】
第五十条  (省略)
2  宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、あらかじめ、第十五条第一項の国土交通省令で定める場所について所在地、業務内容、業務を行う期間及び専任の取引主任者の氏名を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。



また、過去の出題(過去問題)から検討すると、法第 50条第 2項の届出に関しての出題論点としては、①「どのような場所について」②「誰が」③「いつまでに」④「誰に対して」届け出なければならないのか?という事になります。
肢(ウ)に関しては③「いつまでに」および④「誰に対して」が出題論点だと判断して解答するのが過去問演習を繰り返して試験の準備を行ってきた一般的な受験生の対応だと考えます。

そして、本問は、「正しいものはいくつあるか」との設問です。
「正しいものはいくつあるか」との設問に対して、「正確な記載だとは言えないが、誤っているとは言い切れないので正しいものである」と国語的に判断するのは無理があります。
「正確な記載だとは言えないので、正しいものとは言えない」と判断するべきだと考えています。

更に、本文の記載も気になるところです。
「宅地建物取引業者 A社 (甲県知事免許)」との記載から、A社は甲県知事免許の業者である旨わざわざ事例設定されています。
この事例設定は、肢(ア)および肢(イ)の設問には影響を及ぼしませんから、肢(ウ)のために設定された内容になります。
そうであるならば、「A社が免許を受けた甲県知事への届出」についての記載がないことから、余計に「正確な記載だとは言えないので、正しいものとは言えない」と判断するべきだと考えています。


この問題の正解番号によっては1点足らずで不合格となる受験生も出てくるハズです。
全体で見れば影響が少なくても個別の受験生には影響が出ることは必至ですから、試験実施機関にはしっかり学習してチャレンジした受験者に不利になる事のないような対応をお願いしたいです。

いずれにせよ、問42の正解番号については、合格発表の行われる11月30日(水)まで明らかにされる事はありませんので、試験実施機関の発表を待つしかないです。


都合により、17日(月)から予定していました「本試験問題の音声解説編」は18日(火)からに変更します。
ポッドキャスティング と Youtube および facebook で配信します。

梶原塾 田中優彦


平成23年10月17日 19:00 条文を加筆しました。

※財団法人不動産適正取引推進機構より、問42は「1」と発表されました。 '11.11.30 追記

●関連記事参照
» 2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その2 は、こちら

» 2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その3(追記2) は、こちら


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※試験の講評などについても、このブログやツイッター(kajiwarajuku)で取り上げる予定ですが、予想合格ライン(合格基準点)については、次の記事等を参照ください。
» 参照記事はこちら

梶原塾 田中優彦

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2011年10月16日 (日)

2011年(平成23年度)宅建試験【解答速報】・予想正解番号について

宅建試験お疲れ様でした。

以下、梶原塾の予想正解番号(正解肢)です。

【予想正解番号】  '11.10.16  20:30現在

問1-4   問2-1    問3-4    問4-2   問5-3 
問6-1   問7-4    問8-2    問9-3   問10-4 
問11-3  問12-2  問13-3  問14-4  問15-3 
問16-2  問17-4  問18-1  問19-3  問20-4 
問21-1  問22-3  問23-1  問24-3  問25-2 
問26-3  問27-2  問28-4  問29-4  問30-2 
問31-3  問32-2  問33-4  問34-1  問35-1 
問36-1  問37-1  問38-2  問39-2  問40-4 
問41-4  問42-4  問43-4  問44-3  問45-3 
問46-2  問47-1  問48-なし  問49-4  問50-3 


※万が一、予想正解番号を変更する必要がある場合は、このブログ内でお知らせします。
※問42の正解番号を「1」としている資格試験予備校もあるようです。

※財団法人不動産適正取引推進機構より、問48は「正解肢なし」の取扱いとなる旨発表されました。 '11.11.22 追記しました。

» 平成23年度宅地建物取引主任者資格試験に係る問題の誤記については、こちら

※財団法人不動産適正取引推進機構より、問42は「1」と発表されました。 '11.11.30 追記しました。

■平成23年(2011年)宅建試験の【解答速報】本試験問題の音声解説編(全6回)
ポッドキャスティング と Youtube および facebook で17日(月)から予定しています。

» 宅建試験対策ポッドキャストのMP3ファイルをリストからまとめてダウンロードは、こちら

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