問42(ウ)について、一部で話題になっている「通達」や「実務での取扱い」を根拠とする解説について考えてみます。
「建設省経動発第二一号・平成六年一月二四日通達」において、「免許権者と所在地を管轄する都道府県知事が異なる場合、後者が自己あての届出と前者あての届出を一括して受理することとなる」旨通達されている事を根拠に、問42(ウ)を「正しいもの」としてカウントすべきだとの見解があるようですが、この通達の元となった宅地建物取引業法施行規則・第19条第4項の規定は、その後法改正によって削除されています。(下記参照)
したがって、問42(ウ)が「正しい」肢となる根拠にはなり得ないと考えています。
もちろん、現在でも実務では、「免許権者が都道府県知事の場合でも、案内所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して届出」されていますが、これはあくまでも"運用"としての取扱いであって、法令に基づく取扱いではありませんので、問42(ウ)の記載を「正しいもの」とする試験問題の根拠にはなり得ないと考えます。
また、実務上、上記のような取り扱いがなされていたとしても、経由申請する場合に届出書の提出・受付先(本肢の乙県知事)が届出書の宛先(名宛人)になるとの解釈は、試験問題の解釈としては不適切です。
もしそうであるならば、大臣免許の業者が主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して大臣に対して「変更の届出」をする場合、「主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対して届け出なければならない」という記載が「正しい」と言うことになってしまいます。
本肢のような設問に対しては、「何処に届出書を提出するのか」を聞いているのではなくて、「誰に対して届出しなければならないのか」を聞いているものとして解答しなければならないものだと考えます。
尚、免許権者が大臣の場合の届出については、「第50条第2項の規定により国土交通大臣に提出すべき届出書は、その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない」旨、宅建業法第78条の3に規定されています。
繰り返しになりますが、問42の正解番号については、合格発表の行われる11月30日(水)まで明らかにされる事はありませんので、試験実施機関の発表を待つしかないです。
※財団法人不動産適正取引推進機構より、問42は「1」と発表されました。 '11.11.30 追記
【建設省経動発第二一号・平成六年一月二四日通達】
第9 業務を行う場所の届出について
1 業務を行う場所に係る届出の様式の変更について
規則第一九条第三項の「別記様式第一二号」につき、今回、合理化の見地から見直しを行った。
なお、本様式に添付して提出を求める書類は当該業務を行う場所の案内図程度に限定するよう努められたい。
2 届出方法の簡素化について
この届出の届出先は、業法第五〇条第二項の規定にあるとおり、「免許を受けた建設大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事」であり、複数の行政庁に届け出る場合も多数あった。
今回の改正により、届出をしようとする者の利便の向上に資するよう、改正後の規則第一九条第四項において「免許を受けた建設大臣又は都道府県知事(免許権者)に対するものは、届出に係る場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行うものとする。」旨の規定を定めた。
今後、免許権者と所在地を管轄する都道府県知事が異なる場合、後者が自己あての届出と前者あての届出を一括して受理することとなるので、その旨御了知おかれたい。(以下省略)
【(旧)規則第一九条第四項】 (抜粋)
免許を受けた建設大臣又は都道府県知事(免許権者)に対するものは、届出に係る場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行うものとする。
※現在の施行規則では、第三項までしか規定がありません。
※未確認ですが、平成12年の機関委任事務の廃止により改正削除されたものだと思います。
【宅地建物取引業法・第七十八条の三】
(申請書等の経由)
第七十八条の三 (省略)
2 第五十条第二項の規定により国土交通大臣に提出すべき届出書は、その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。
【H23-42】
宅地建物取引業者 A社 (甲県知事免許)がマンション (100戸)を分譲する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法 (以下この間において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
(ア) A社が宅地建物取引業者 B社にマンションの販売代理を一括して依頼する場合、 B社が設置する案内所について、 A社は法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。
(イ) A社は、売買契約の締結をせず、契約の申込みの受付も行わない案内所を設置する場合、法第 50条第1項に規定する標識を掲示する必要はない。
(ウ) A社がマンションの分譲のために案内所を・乙県に設置する場合には、業務を開始する日の 10日前までに、乙県知事に法第 50条第 2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。
(1) 1つ
(2) 二つ
(3) 三つ
(4) なし
●関連記事参照
2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その1
>>http://www.kajiwarajuku.com/tanaka/2011/10/20112342-9870.html
2011年(平成23年)宅建試験【解答速報】問42について その3(追記2)
>>http://www.kajiwarajuku.com/tanaka/2011/11/20112342-a8cc.html
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