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2008年7月 2日 (水)

テキストは、問題を解けるようになるための道具なのです。

宅建試験対策のテキストへの条文の記載方法について話題になっていますが、テキスト(基本書・教科書)は、あくまでも受験参考書なのですから、「わかりやすさ」を最優先するべきで、条文上の漢数字を算数字に直して記載することなどは、当然の事だと考えています。

むしろ、漢数字のまま記載しているテキストの方が、受験参考書としてはどうなのかなーと考えています。
例 二千平方メートル → 2000㎡  三十日以内 → 30日以内 

ところで、資格試験対策用のテキストについては、理解しやすくするために、あえて条文とは異なる構成で解説している場合が多いです。
典型例になるのが、「原則」・「例外」としてまとめた記載・解説方法です。
法律の条文に「原則○○」・「例外○○」と記載されているわけではないのです。

下記に、宅建業法のクーリングオフ制度をお題にして、
宅地建物取引業法の条文の文言
一般的なテキストの記載例、
梶原塾のテキストの記載例を取り上げてみました。

クーリングオフ制度の条文は、かなりややっこしい条文なので、ほとんどのテキストが工夫して記載しているところです。

一般的なテキストの場合は、
原則、「事務所等」以外の場所において、宅地建物の買受けの申込みまたは契約の締結をした者は、クーリングオフできる。
ただし、「例外①②」に該当する場合はクーリングオフできない。という構成で解説している場合が多いです。

ただし、この構成だと「原則」の中にも例外がある(=「事務所等」で行った場合はクーリングオフできない)という「わかりにくい」構成になってしまいます。

梶原塾のテキストの場合は、
原則、クーリングオフできる。
ただし、「例外①②③」に該当する場合はクーリングオフできない。という構成で解説しています。

このような構成で解説する理由は、できるだけ単純な構成にして解説することで、インプット段階での理解のしやすさだけでなく、問題を説く際にも効果が期待できるからです。

梶原塾の塾生の場合は、「クーリングオフできるか否か」という設問に対しては、必ず、「原則クーリングオフできることを前提に、例外の①②③に該当しないかどうかを①~②~③と順番に検討していく事を実践しています。

仮に、問題文をパッと見た際に、例外③のキーワードが目に付いたとしても、必ず①②③の例外を順番に確認するように指導していますし、過去問解説集でも問題解法の手順に沿ってしつこく解説しています。
そうすることで、「そもそも○○」系の設問に引っかかることもなくなります。

じつは、「クーリングオフ」という文言も宅建業法上の「条文」の文言ではなかったりします。
「通称」・「俗称」を使って、わかりやすく、イメージしやすいように工夫しているのです。


【参考】
■宅地建物取引業法の条文
(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)
第三十七条の二  宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。・・・(以下省略)
一  買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき。
二  申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。


■宅地建物取引業法施行規則の関連条文
第十六条の五  法第三十七条の二第一項 の国土交通省令で定める場所は、次に掲げるものとする。
一  次に掲げる場所のうち、法第十五条第一項 の規定により同項 に規定する取引主任者を置くべきもの
イ 当該宅地建物取引業者の事務所以外の場所で継続的に業務を行うことができる施設を有するもの
ロ 当該宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲を案内所(土地に定着する建物内に設けられるものに限る。ニにおいて同じ。)を設置して行う場合にあつては、その案内所
ハ 当該宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に対し、宅地又は建物の売却について代理又は媒介の依頼をした場合にあつては、代理又は媒介の依頼を受けた他の宅地建物取引業者の事務所又は事務所以外の場所で継続的に業務を行うことができる施設を有するもの
ニ 当該宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲の代理又は媒介の依頼をし、かつ、依頼を受けた宅地建物取引業者がその代理又は媒介を案内所を設置して行う場合にあつては、その案内所
ホ 当該宅地建物取引業者(当該宅地建物取引業者が他の宅地建物取引業者に対し、宅地又は建物の売却について代理又は媒介の依頼をした場合にあつては、代理又は媒介の依頼を受けた他の宅地建物取引業者を含む。)が法第十五条第一項 の規定により同項 に規定する取引主任者を置くべき場所(土地に定着する建物内のものに限る。)で宅地又は建物の売買契約に関する説明をした後、当該宅地又は建物に関し展示会その他これに類する催しを土地に定着する建物内において実施する場合にあつては、これらの催しを実施する場所
二  当該宅地建物取引業者の相手方がその自宅又は勤務する場所において宅地又は建物の売買契約に関する説明を受ける旨を申し出た場合にあつては、その相手方の自宅又は勤務する場所


■宅地建物取引業法の関連条文
(取引主任者の設置)
第十五条  宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の取引主任者(第二十二条の二第一項の宅地建物取引主任者証の交付を受けた者をいう。以下同じ。)を置かなければならない。 (・・・以下省略)



■一般的なテキストの記載例
原則 「事務所等」以外の場所において、宅地建物の買受けの申込みまたは契約の締結をした者は、無条件での申込みの撤回または契約の解除をすることができる =クーリングオフできる
 「事務所等」とは、「事務所」+「専任」の設置義務のある案内所等 + 買主申出の自宅・勤務先

例外 ①②のいずれかに該当する場合は、無条件での申込みの撤回または契約の解除はできない=クーリングオフできない
 業者がクーリングオフ制度の概要を書面で告知した場合に、告知の日から起算して8日経過したとき
② 履行関係が終了した時 = 申込者等が、宅地または建物の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払った場合


■梶原塾のテキストの記載(抜粋)
●8-2 クーリングオフ (37条の2の規定による買受けの申込みの撤回等)
原則 業者が自ら売主となる売買契約について、宅地建物の買受けの申込みまたは契約の締結をした者は、無条件での申込みの撤回または契約の解除をすることができる =クーリングオフできる

例外 ①②③のいずれかに該当する場合は、無条件での申込みの撤回または契約の解除はできない=クーリングオフできない
① クーリングオフの「適用除外となる場所」で、買受けの申込みまたは契約の締結をしたとき
  「適用除外となる場所」 =「専任」の設置義務のある場所 + 買主申出の自宅・勤務先
② 業者がクーリングオフ制度の概要を書面で告知した場合に、告知の日から起算して8日経過したとき
③ 履行関係が終了した時 = 申込者等が、宅地または建物の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払った場合


投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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コメント

2009年宅建解答速報ありがとうございました。
その中で・・・
31番「ウ」の正誤についてですが、
自ら売主規制の場合、保全措置を取っていても
他人物件の場合は宅建業者でない「C」と契約できないのでは
ないでしょうか?

投稿: 候 | 2009年10月19日 (月) 05時39分

こんにちは、候さん。

さて、問31については、ブログ内で記事を書いておりますので、参照していただければと思います。

本肢は、未完成物件についての「例外」に該当するものと考えられます。

http://www.kajiwarajuku.com/tanaka/2009/10/20021-424d.html


どうぞ、よろしくお願いいたします。

梶原塾 田中優彦

投稿: 梶原塾 田中優彦 | 2009年10月19日 (月) 05時54分

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