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2007年10月26日 (金)

平成19年度宅建試験 問23(宅地造成等規制法)について

合格発表までのボーダーライン上の受験生心理を考慮して、この件に関してコメントする予定はなかったのですが、お問い合わせもいただいていることから記事にして回答することにしました。
あくまでも、梶原塾としての考え方ですのでよろしくお願いいたします。

この件に関して、他の講師のブログ上の見解を拝見しましたが、平成19年度宅建試験問23に関しての「問題の所在」については、そこまで掘り下げて検討しなくとも判断できると考えています。

この設問は、「宅地造成等規制法」に関する出題ですから、他の法規での法令用語の使い方などを持ち出す前に、「宅地造成等規制法」の他の条文との相関性を検討するのが筋です。

「宅地造成等規制法」の条文を検討すると、①「~しなければならない・してはならない」という文言が18回、②「~することができる」という文言が20回使用されています。
そして、問題となっている③「~するものとする」という文言は、唯一第20条2項で使用されているのみです。
第20条2項は、最近改正された条文でもありますので、意味もなく単に書き誤ったとは考えにくいですから、あえて、①②とは異なる意味で使用する目的で第20条2項に「~(解除)するものとする」という文言を使用したものと考えることができます。

また、第3条の後に、「宅地造成工事規制区域」に関しての「区域の指定解除」に関する条文がないことからも、第20条2項の「~(解除)するものとする」という文言は、一定の理由があって①②とは異なる意味で使用されたものと推測することもできます。

したがって、問23の肢2の問題文における「~(解除)することができる」については、条文の文言を他の法律にまで拡大して検討するまでもなく、単に、「誤っている記述」であると判断して差し支えないものと考えられます。

さらに、宅建試験においては、「~しなければならない」や「~することができる」などの条文の文言が出題論点になっている設問も多いです。
問23の肢2の問題文については、条文の文言と明らかに異なり、その文言の意味するところの同義性や類義性も明らかでない訳ですから、この点からも、「誤っている記述」として取り扱うべきであると考えられます。

※平成19年問23の肢2の問題文   「~解除することができる」
※「宅地造成等規法」第20条2項  「~解除するものとする」

ただし、問23の正解肢の判定については、上記結論とは矛盾する考え方をしています。
宅建試験は4肢択一形式(個数・組み合わせ問題を除く)の試験です。
問23においては「~誤っているものはどれか」という設問ですから、受験生としては明らかに誤っている記述である「肢1」を正解番号としてマークシートに記入するべきだと考えています。
この考え方は、「~妥当なものはどれか」などという問題文でなかったとしても、資格試験受験における一種の「不文律」であると言っても良いのではないでしょうか。

また、来年度以降の対策と受験生の負担増を考えると、2つの肢が正解肢となるのは避けていただきたいのが正直なところであったりします。

いずれにせよ、国土交通省に「声」は届いているわけですから、その対応と試験実施機関の判断を待つしかないです。
そして、合格発表までは試験実施機関の「判定」は公表されないはずですから、問23についてはこのような疑義があったということで合格発表を持つのが得策だと思います。
受験生全体にとって利益となる試験実施機関の対応が望まれます。

尚、「宅地造成等規制法施行令」の中では、「~することとする」という文言が、「宅地造成等規制法施行規則」の中には、「~するものとする」という文言が各1回使用されています。


※追記 平成19年12月5日合格発表が行われ、問23の正解番号は、肢1のみでした。

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投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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2007年10月24日 (水)

2007年(平成19年度)宅建試験の講評と予想合格ラインについて

平成19年度宅地建物取引主任者資格試験を受験されたみなさんお疲れ様でした。
これから合格発表まで、なにかと落ち着かない状況かと存じますが、まずは、ゆっくりとされてください。
そして、高得点を獲得された受験生については、少しだけ余韻を楽しむのも一考かもしれません。

平成19年度の本試験については、①一般的な受験生が「解けるはずの問題」と「解けないはずの問題」がはっきりとしていた事が印象的でした。
また、②本年度の改正点からの出題が目立っていた点も挙げられますが、改正点からとしては予想された範囲の出題でしたので、対応できていた受験生も多かったのではないでしょうか。

いずれにせよ、過去問を中心に、しっかりと必要な準備を行って受験した受験生にとっては得点しやすかった問題が多かったのではないでしょうか。

梶原塾としては、問2の「復代理」の問題を除けば、問1から問7(意思表示・物権変動・共有・不法行為・物権変動・抵当権の目的物の範囲)までの6問の平均点が5.3点と、まるで「模擬試験」や「塾生専用ページ内のレベルアップ講座」の再現のような問題が続いたこともあって、落ち着いてその後の問題を検討できたのではないかと推測しています。

さて、予想合格ラインについてですが、宅建 梶原塾の予想合格ラインは、35・36点です。
そして、35点である可能性の方が高いと考えています。
インターネット上で予想合格ラインを公開している指導機関・指導者の中では、日建学院の講師である「宅建合格らくらくナビ」のみやざき講師と似た予想合格ラインです。

平成19年10月22日午後13時現在で、塾生から提供のあった本試験の解答データによると、①~⑤のような分析結果が出ています。
①最高点44点~最低点25点(5問免除者はプラス5点)
②35点以上の得点者が約9割
③平均点は39.4点で昨年の38.6点よりも0.8ポイント上昇
④ 梶原塾の講義の範囲外で正解不能な問題数(=解けないはずの問題数)は6問で、昨年の7問よりも1問減少
⑤梶原塾の講義の範囲内で正解可能な問題(=解けるはずの問題)の平均点が44問中36.0点で、昨年の43問中34.6点よりも1.4ポイント上昇
① ~⑤その他を総合的に勘案すると、平成18年度の合格基準点である34点よりも1問程度は平易だったと推定できます。

尚、上方修正(37点)しなければならない可能性は低いと考えていますが、今後提供されるデータによっては、下方修正(34点)の可能性は“ありえる”と考えています。
塾生の模擬試験などのデータも考慮すると、本来であれば40点以上の得点をしてもおかしくない層の本試験での得点結果が37~39点に留まっている例も多いです。
意外と「受験生全体」の得点結果は伸びていないのかも知れません。
昨年に引き続き、「35±1」という予想が“無難な予想”なのかも知れないです。

また、5問免除者の影響については諸説混在していますが、試験実施機関の「合格者判定基準」が公表されていないのでなんとも言えないというのが本音です。
①影響があったとしてどれくらいの影響があるのか、②そもそも合格基準点を変動させるような影響があるのか否か等、5問免除者の大幅増となった平成17年度と平成18年度の合格者数や合格率を分析しても、はっきりと断言できるような結論を導き出すことはできていないです。
大幅増となって3年目となる今年の結果次第で、ある程度の判断をすることができるようになると考えています。

尚、他の指導機関と同様に、梶原塾でも「予想合格ライン」を公表しています。
公表することによって、ボーダーライン上の受験生にとっては酷な部分も否定できないですが、予想ボーダーラインを示すことによって、それぞれの「次」に取り掛かることができる受験生が増えるというプラスの一面も否定できないと考えています。

いずれにせよ、「宅建倶楽部」の迷物講師も指摘されているように、そもそも合格基準点をはじめ合格者数や合格率は政策等で決まるものですから、合格発表の12月5日までは結果は誰にもわからないです。

※「塾生から提供のあった本試験の解答データ」の一部修正しました。07/10/25

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投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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