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2007年3月30日 (金)

不動産の営業マンと宅建講師の実力

「分譲マンションは、8割を企画で売って、残りの2割の利益部分を売るのが営業マンの仕事」だという考え方があります。
でも、実際には、「物件の企画力だけで完売できるような人気の新築物件」ばかりを担当させてもらって、営業力なんかないのに成績の良い営業マンとして高給を得ている営業マンも存在します。
一方、新築マンションの販売開始からしばらくたって、売れ残った残物件ばかりの販売を担当しても、地道に仕事をこなしている営業力のある営業マンもいます。

ところで、宅建の講師の世界ではどうなのでしょうか。
ほおっておいても合格しそうな「学生時代に勉強ができたタイプの受験生」ばかりを担当していれば、その講師の合格実績は高くなってきます。
たとえば、財閥系の大手不動産会社や大手金融機関や大手ゼネコンの企業研修で、企業側の後押しまでついていれば、全員合格してもおかしくないです。

また、一般的な宅建試験対策講座の場合であっても、講師の力量が合格実績に直接影響してくる部分なんて、その講座の合格者のうち2割もいれば多いほうだというのが、大手資格試験受験予備校時代を含めての僕の感想です。
そもそも、受験勉強するのは受験生自身ですし、講師はあくまでも道先案内人でしかありません。

でも、使用する教材や担当講師によって、合格実績がピンきりであるのも事実です。
本試験合格率(15%~17%)と変わらない程度の合格実績の講座もありますし、それ以下も、その2倍~4倍の合格実績の講座も存在するのが実情ですから、宅建試験対策の講座選びは公開講座などの体験受講を利用して慎重に行うことが大事です。

これまで宅建試験の講師をやってきて一番うれしかったのは、「先生に出会ったことにより勉強を続けられた、合格できた」と担当した生徒さんから言葉をいただいたときでした。
翌年のリベンジ組からの場合は、さらに感無量です。

僕は、どうもこの「2割」の辺りに宅建試験の講師業の魅力を感じてしまっているようです。

独立して梶原塾を開講してから3年目になりますが、「梶原塾を選択して良かったです」と言ってくれる塾生を増やせるように努力していこうと考えています。

「1年目で駄目なら、2年目のリベンジもあり」ということであれば、「申込者全員合格」の講座を目指すことも不可能な目標ではないはずですから、再受講制度の利用率などを上げていくことも今後の課題です。

分譲マンションは、営業マンの営業力なんかなくても、大手のブランド力だけで勝負できる物件も存在します。
でも、一般的な宅建試験対策講座の指導は、大手だからといって同じようにはいかないです。
ある企業のトップの受け売りですが、「小さな塾だからこそ、できることもある」と考えています。

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投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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2007年3月19日 (月)

宅建試験対策の民法の学習と宅建業法の学習 その2

>>宅建試験対策の民法の学習と宅建業法の学習 その1 のつづきです。

ところで、梶原塾では、権利関係法令(民法)から学習を開始することによって、「理解する能力」や「図解する能力」や「択一形式の問題演習・解法の能力」を身に付けた上で、理解しながら宅建業法や法令上の制限を学習することができると考えています。

そして、権利関係法令(民法)や法令上の制限で関連知識を学習した後に、宅建業法を学習することで、苦もなく効率的かつ効果的に宅建業法を学習することができると考えています。
そうすることで、一般的にも平易だと評価される宅建業法をさらにスムーズに理解して学習することができます。
民法や法律系資格試験の既習者が、宅建業法を修得するのに時間を要しないことと同じ理屈です。
試験対策上、山場となる作業(権利関係法令)を学習のはじめに位置することで、残りの作業がはかどってくると考えることもできます。

一方、梶原塾とは異なって、宅建業法を民法より優先させて学習するように指導する指導機関もありますが、そのように指導する理由が、「宅建の勉強が長続きしない最大の要因になるから」ということであるならば、本末転倒です。
受験生の目的は、長続きさせることではなく、「合格すること」にあるハズだからです。
合格という結果を出すために、長続きさせること=継続することは大事ですが、手段が目的になってしまわないようしなければなりません。
長続きさせることで受講生を満足させているだけの指導機関もあるので注意が必要です。

また、梶原塾では、「できるだけ回転数をこなして精度を上げていく」という考え方で指導しています。
梶原塾の完全合格講座は、適度な時間配分で全体を学習できるように構成されていますので、学習のはじめの段階では、科目ごとの学習時間の配分などは気にせずに学習を進めて全体を回転させてください。
得手不得手は人それぞれですし、「センス」によるところも少なくないですから、苦手分野の克服などによる時間配分の見直しは、学習が進んだ段階で検討すれば充分です。

いずれにせよ、「まじめに取組んでいる指導機関」の中から自分に合った指導機関(出版社等も含む)を選択して、その指導機関の指導どおりに学習することをお勧めします。
梶原塾のように、権利関係法令で伏線を張りながら法令上の制限→宅建業法と、独自に体系を考案し、拘ってカリキュラムする指導機関もあれば、宅建業法をベースにしたカリキュラムを独自に考案している指導機関もあるようです。

後者の指導法による合格率等の「結果」の公表を期待したいです。

梶原塾では、「どうせやるのなら楽しんでやって結果(合格)を残す」ことが大事だと考えています。

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2007年3月17日 (土)

宅建試験対策の民法の学習と宅建業法の学習 その1

宅建試験対策の民法を中心とした権利関係法令は、範囲が膨大です。
1年や2年の勉強ですべてをマスターできるほど甘くないです。

ですから、春先からの半年程度の学習期間で、民法の1から10までのすべてをマスターするなんてとんでもない話になってしまいますし、宅建試験に合格するために民法全体をマスターすることを要求されてもいないです。
ある指導機関のブログでも、宅建試験は、「宅地建物取引主任者として必要な知識を試されるものに過ぎず、法律家を養成する試験ではない」と指摘されていますが、この考え方はもっともです。

そこで、資格試験対策として民法を学習する場合には、各試験の過去の出題傾向を分析するなどして、出題傾向に沿った学習を効率的かつ効果的に行うことが大事になってきます。

たとえば、「売買契約」に関連する項目(知識)は民法の中にたくさんありますが、宅建試験の試験対策としては、不動産売買を題材とした事例問題が多く出題されますので、これに関連する項目をメインに試験対策を行なうことになります。
合格するためには不要となるマイナーな項目や難解な知識を「カットして」学習することが大事です。
「まじめに取組んでいる指導機関」のテキストや過去問解説集は、民法全体から宅建試験に合格するために必要な項目に絞って作製されています。

また、学習効果を考えると、民法の条文の順番どおりに第一条から学習するのは効率的でも効果的でもありません。
いきなり「権利の濫用」や「制限行為能力者」について学習しようとしても、理解するのはしんどいですし、挫折する原因にもなってしまいますし、試験対策上も重要だとは言えないです。

そこで、「まじめに取組んでいる指導機関」では、過去の宅建試験の出題傾向等を分析した上で、独自に宅建試験対策用に民法の体系を組み替えて(条文の順番どおりではなく)テキストなどの参考書を作製しています。
梶原塾の場合は、売買契約を事例に、
①「契約はどのように成立するのか」から始まって、
②「契約が成立すると、どのような効力が発生するのか」、
③「では、契約を締結した意思表示に問題があった場合はどうなるのか」
というふうに、独自の体系で学習することにしています。
もちろん、民法だけでなく他の科目まで含めた構成を検討して作製しています。

残念なことに、宅建試験対策用のテキストや参考書の多くは、冒頭でいきなり「制限行為能力者」が登場してくることが多いようです。

» その2はこちら

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投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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2007年3月 9日 (金)

宅建試験対策の「危険負担」についての学習

「権利関係法令の危険負担については、ほとんどの場合、民法のルール(規定)と異なる特約をするので、実務上、取引主任者が危険負担の民法のルールをお客様に説明することはまずない。そしてそのような理由から平成8年を最後に危険負担に関する出題はされていなし、宅建試験に合格するためには、ズバリ不要だ。」

との考え方があるようですが、梶原塾流に、「危険負担」をお題にして考えてみます。

まず、目的物が不動産(特定物)の場合の「危険負担」に関しておさらいしてみます。

「危険負担」とは、契約締結後、各債務が完全に履行される前に、売主(目的物引渡についての債務者)に帰責事由なくして(地震などによって)、目的物である不動産が滅失・損壊した場合の契約関係の処理に関しての規定です。

契約で特約をしなかった場合には民法の規定が適用されますので、買主側の立場で考えてみると、
①滅失であれば目的物である不動産は引き渡してもらえないのに、代金全額を支払わないといけなくなってしまいます。
また、②損壊であれば損壊した目的物と引き換えに代金全額を支払わなければならず、損壊した部分に相当する代金減額請求も認められません。

このように、民法の「危険負担」に関する規定は、買主にとって酷ですし、売主にとっても、事実上代金支払能力のない場合の多い買主との契約を引きずっていても好ましいことではないです。

そこで、「契約締結後、売主(債務者)に帰責事由なくして、目的物である不動産が滅失したときには、契約は解除される」旨の解除条件を付したり、「・・・・一定の場合には解除できる」旨の特約をするのが実務では一般的となっています。


ところで、「天災その他不可抗力による損害の負担(危険負担)に関する定めがあるときは、その内容」については、37条書面(契約書面)の法定記載事項とされていますが、35条書面(重要事項の説明)の法定記載事項とはされていませんので、宅建業法上の「取引主任者による説明義務」はありません。

しかし、実務上の取り扱いは、35条書面の中に任意に記載し、取引主任者が35条の法定記載事項と一緒に説明していることが一般的ですし、多くの業者が利用している不動産協会等が作成した35条書面の書式(雛型)にも「危険負担」についての記載があります。

たとえば、買主であるお客さんに対して、「特約をしなければ、民法の規定が適用されて、 (~上記参照~) なので、こういった内容の特約をします。」と、きちんと説明できれば、安心・納得しない買主はいないでしょう。

そこで、契約を締結するか否かの判断材料の提供をするために、最低限の「重要事項」の記載が義務付けられている35条の法定記載事項にプラスして説明すべき事項として、説明されることが多いです。


本題についてですが、「実務上、取引主任者が危険負担の民法のルールをお客様に説明することはまずない」との考えは、実務を知らない方が机上の空論をしているに過ぎないか、または、お世辞にも「説明」とはいえない「棒読み重説」を参考にしているかのどちらかです。

実際に、「棒読み重説」が原因で契約がキャンセルとなったり、契約締結後のトラブルを誘因したりする事例は少なくないです。
特に、契約締結後の業者と消費者との紛争については、契約の内容に問題があるのではなく、きちんと説明していれば紛争にならなかった事例が多いのではないかと経験上考えています。
民法のルール(規定)と異なる特約をする場合であっても、基本となる民法の知識を修得していなければ、「説明」などできるはずがありません。

また、「平成8年を最後に危険負担に関する出題はされていない」のは事実ですから、「ズバリ危険負担の学習をしなくても、効率的?に宅建試験に合格する事は可能」なのかも知れません。

けれども、梶原塾では、「危険負担」に関する項目は、理解しながら民法を学習するための材料としては、大切な項目のひとつだと考えていますので、しっかり理解して学習していただくことにしています。

たとえば、「危険負担」について学習することで、
①「目的物の滅失」という切り口での「理解する学習」が可能となります。
契約締結後、売主(債務者)に帰責事由があって、目的物である不動産が滅失した場合の「債務不履行」との比較や、目的物である不動産が契約締結前に滅失していた場合の「原始的不能」との比較学習も行うことができます。
また、②「所有権の移転時期」や「停止条件」などの知識を応用しながら、できるだけ理解して学習を行うことができます。

ですから、「危険負担」に関しての過去の出題実績や今後の出題可能性が低かったとしても、無駄な学習をすることにはならないですし、むしろ効果的な学習をすることができます。

このような学習法は、点の知識を線で結んでいく学習(=知識と知識にリンクを張っていく作業)の基本形でもあります。

せっかく時間をかけて学習するのなら、できるだけ理解して学習して、実務に就いても「使える取引主任者」になって欲しいですし、他の資格試験などの次へのステップにして欲しいと考えています。

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投稿者: 梶原塾 田中優彦 Google

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