図解できないものを頭の中で考えて、事例問題を解けるハズがない
宅建試験のような択一試験の問題文は、2つの部分から構成されています。
①本文 ②肢1~4 の2つです。
まず、①本文で事例設定を行い、②各肢で事例設定を補足したうえで知識を問う問題構成が多いです。
ちょっと長くなってしまいますが、例をあげると・・・
「Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定よれば誤っているものはどれか。」
と本文部分で事例設定されます。
次に、各肢部分で次のように事例設定を補足したうえで知識を問われます。
「AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが、その取消しをもって、Bからその取消し前に当該土地を買い受けた善意のCには対抗できない。」
この問の解法の手順は・・・
①まず、本文部分より事例を図解します。 A→B
売買契約の事例の場合は、いつも売主を左側に書くことをルールにすると便利です。
②そして、肢部分の記載よりA→BのAの意思表示がBの強迫により行われた旨の事例設定の補足をします。
③ここで、この問の1つ目のお題を判断します。
「AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが・・・」旨の部分については、「強迫によって行われた意思表示は取り消すことができる」という知識により、ここまでの問題文の記載は正しいと判断できます。
④引き続き、2つ目のお題の処理を行います。
B→C売買がAの取消し前に行われていた旨の事例設定の補足をします。
⑤2つ目のお題を判断します。
Cは取消し前に登場した第三者なので、意思表示の「強迫」の規定で処理することになります。
「強迫による意思表示は、第三者の善・悪にかかわらずに、取り消しを対抗できる」という知識により、問題文の「取消し前に当該土地を買い受けた善意のCには対抗できない」旨の記載が誤りであると判断できます。
⑥択一形式の問題は、まちがい探しをするわけですから、この肢の上記部分は誤っていると判断できます。
そして、本文より誤っているものはどれか?という設問ですから、この問の正解肢は、この肢であるという事になります。
ところで、実際には次のように簡単に図解することができます。
宅建 梶原塾完全合格講座・過去問解説集より転載
①②③④は、この肢の事例設定を時系列で表したものです。
この問では、③と④の順序も大きなお題になっているので図解する事で簡単に対処できます。(取消前の第三者・取消後の第三者)
このように問題文を図解すれば、事例設定が一目瞭然になったハズです。
宅建試験の本試験問題は、事例問題が多いのが特徴です。
そして、実際にはもっと複雑な事例が設定されることが多いですし、いつも売主がAで買主がBで第三者がCという設定であるとも限らないです。
これだけの情報量を頭の中で考えて正確に解答をだせるハズがありません。
そこで、僕はいつも講義中、とにかく図解することを重視して、解説することを心がけています。
極端な話、大手資格試験受験予備校時代の答案練習会などでは図解を板書するのが仕事だと考えていました。
講師でさえ、簡単に図解しなければうっかり間違ってしまう問題が多いのが現実であるのに、受験生の方が図解なしで確実に解答できるハズがありません。
逆に、図解さえできれば、問われている知識はインプットされている訳ですから、正確に解答する事もできるのです。
勉強の入り口段階では、大変な作業になるかもしれませんが、図解をできるようになるか否かが合否を別けるといっても過言ではありません。
まずは、A→Bを図解することから始めてみてください。
勉強の入り口段階でA→Bを省略しているのに、複雑な事例だけを図解できるようになれるハズもありません。
宅建の本試験問題は、事例を図解できる能力があれば、あとは知識の当てはめ作業により充分に解答できる問題が多いです。
重箱の隅を突っつくような細かな知識を丸暗記する暇があれば、図解しながら問題演習を時間をかけて行って、確実に得点できる項目を増やしていくことが宅建試験合格への近道になるハズです。
※宅建 梶原塾のホームページから転載
宅地建物取引主任者資格試験対策WEBサイト・宅建梶原塾 専任講師のブログ
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